東京 大森の建築家兼宅地建物取引士が語る、不動産探し&家づくりのコト

築30年超のオフィスビル

只今、10坪前後のオフィスを探しています。

同業の知人の設計事務所が移転することになり、お声がかかりました。

私自身、宅地建物取引士でもあり、奥神楽坂で貸しスペースの運営にも関わっております。

奥神楽坂のレンタルスペース space-R

都心で10坪、坪8000円〜9000円程度となると、相場よりも安く、なかなか物件は見つかりません。物件はなくはないです。当然何らかの条件は悪いです

  • 築古
  • 4階以上でEVなし
  • 窓はあるが、目の前は隣地建物の壁で眺望なし
  • 和式トイレ

ウチの事務所も築40年超の建物ですが、いわゆるマンション事務所であり、建物が大きく、EVあり。眺望もあり。規模がそこそこであるところは、そうでもありませんが、ワンフロア1室や2室のような小さな物件では、築古オフィスだとEVがある建物はなかなかお目にかかれません。

今では、4階以上はEVは必須ですが、1980年以前は、そうでもなかったかもしれません。

窓の眺望については、商業地域であれば、敷地目いっぱいに建てるのが常であり、その敷地の設定をどう考えるかは、設計者及びオーナーのプランニングと貸しスペースの方針によります。和式トイレについては、築古建物自体のバリューアップについてのオーナーの方針……

等々、様々な物件を見るたびに、避けることが出来ない建築の価値の推移について、考えてしまします。しっかり設計時にプランニングを考えていれば、防げることもありますし、所有者が適切な時期に投資をしないと劣化する項目もあります。

建物がある環境や社会の状況にも影響を受けます。なかなか難しい問題ですが、しっかりと考え、シミュレーションすることで、その影響を最小限にできるのではないかと思います。