確認申請機関の選定は、一般的には設計者に一任される場合が多いと思います。では、設計者は何を基準に選んでいるのでしょうか。主な理由は以下のとおりです。
このように、さまざまな選定理由があります。
確認申請機関では、建築基準法をはじめとする関係法令に基づき、設計内容の審査が行われます。しかし、建築基準法の解釈や適用には、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる部分もあります。
そのような場合、日本建築行政会議などによる統一的な判断基準が示されていなければ、申請機関によって判断が異なることがあります。特に設計内容に大きく関わる場合には、何度も打ち合わせを重ねたり、場合によっては別の申請機関へ変更したりすることもあるのが実情です。

検査済証がないケース「ガイドライン調査」
最近は、検査済証のない建物の用途変更についてのご相談も多くなっています。このような場合、まず建物の現況について事前調査を行い、ガイドライン調査によって建築当時の法令への適合状況を確認したうえで、用途変更の確認申請へ進むことになります。
ガイドライン調査は、指定確認検査機関などに依頼することが多いのですが、制度が始まってからの期間も比較的短く、その運用方法には申請機関によるばらつきがあるのが実情です。
調査を依頼する際に必要となる事前調査の項目や提出資料についても、申請機関によって違いが見られます。そのため、対象建物の状態や既存図面の残存状況などを踏まえ、複数の申請機関にヒアリングを行い、依頼先を決定しています。
案件ごとに依頼する申請機関が異なる場合もありますが、建物の状況に適した調査方法や審査方針を確認するため、必要な協議を重ねています。
また、国土交通省からの通知や技術的助言、申請機関の担当者の変更などによって、審査方針や調査方法が変わる場合もあります。そのため、現時点では一律の基準で対応できるとは限らず、個別の状況に応じた判断が必要となっています。
こうした状況は、ある意味で「ナマモノ」のようなもので、過去の事例と同じ対応が必ずしも認められるとは限りません。そのため、ご相談いただいた段階では、調査内容や審査の見通しについて明確にお答えできないこともあり、依頼者の方にご理解いただくのが難しい場合もあります。
今後、実務事例が蓄積され、申請機関の間で運用方法について一定の共通認識が形成されれば、状況も変わってくると思います。
現状では、建物ごとに慎重な事前調査と申請機関との協議を重ねながら進める必要があります。この点について、ご理解いただければ幸いです。