東京 大森の建築家兼宅地建物取引士が語る、不動産探し&家づくりのコト

「一戸建」から「一個建」へ

23区内、建ぺい率60%以上、容積率200%以上の物件の最新情報は、ほぼチェックしています。

投資用物件用敷地、住宅用敷地等々、求める用途、エリアは違いますが、幾つか物件依頼されており、結果として23区内の全エリアを押さえています。継続的に見ていくと、値下げされた物件や、すぐ申し込みが入ったもの等々、全てではないけれど動きは見えてきます。

また2018年1月総務省統計局より、地方、世帯人員別の世帯数分布が発表されていますが、注目すべきことは、世帯人員の構成人数の最多が「1人」であること。その割合は32.71%。「両親+子ども」という3人、4人というのは17.64%と13.88%。世帯人員が親や子を必ずしも表すとは限りませんが、その数を合計しても31.52%であり、一人世帯の割合に届かない。

総務省統計局「地方,世帯人員別の世帯数分布(100万分比)」

もはや、世帯を代表する人数は、3人や4人というのではない。一人世帯、二人世帯、三人+四人世帯の割合はほぼ3割。

住宅を設計する切掛として、子どもの成長が一つの契機であることは間違いないですが、そのプロトタイプ、◯DK、△LDKというのは、現在の家族形態に対応していないケースが多いのではないかと思います。「一戸建て」というのも「戸」ではなく個人の「個」を用いて、「一個建て」かもしれない。夫婦2人世帯、老齢親子世帯であれば「二個建て」かもしれない。

今後、シェア文化がますます広がり、シェアハウス等の住居が増えるが、一方では「一個建て」が増えるのも間違いないでしょう。

都心の狭小地30m2〜50m2に40m2〜60m2程度の2階建てや3階建ての住宅。23区でも土地はじっくり探せば、2000万円台〜3000万円台でトータルで5000万円台になります。都心のマンションと同じような価格帯になりますが、「個建て」の場合は、例えば、1階をシェアルームにしたり、シャア工房にしたり、民泊を併設することも可能です。「個建て」に住むということは、自由に生活を組み立てることが出来ます。「個建て」というも今後一つの流れになるのではないかと思います。