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リビング階段を検討する前に考える4つのこと

玄関や廊下ではなく、リビングやダイニングの中に階段を置くことをリビング階段と言います。新しい家を設計するときにリビング階段にするかどうか悩んでいる人は多いと思います。リビング階段にした方がいいか?どうか検討する前に、家族のライフスタイルや関心について考えるべき4つのことがあります。
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1.家族同士のプライバシーを重視しますか?

2階建ての住宅で、玄関すぐに階段があれば、家族に会わずに2階の個室へ直行できます。家族であれば、帰ってきたらちょっと挨拶くらいするのが普通….というのは当たり前に思えますが、こっそり個室へ直行というのは、出来なくもないです。別の事例を上げると、リビング階段の場合、「音」の問題があります。例えばリビングでテレビを見ていたり、来客時には、その音や声は、玄関に階段がある場合よりも伝わりやすいことが言えます。

音を伝わりにくくするという対処であれば、リビング階段に扉を付けて別室化する方法もあります。

2.来客は多いですか?

リビング階段の家の場合、リビングの階段を登って2階にある個室に行くので、来客時には家族のプライバシーを多少なりとも見せてしまうことになります。また子どもの友達が来た時には、リビングを通ることになりますので、気を使わないといけないことも出てきます。このようにリビング階段は家族間のコミュニケーションを良くする手段となっていますが、その分来客時には、気を使うことが多くなります。来客が少なければ、気にすることはないかもしれません。来客時のプライバシーもどこまで気にするのか?そこがポイントだと思います。

3.冷暖房の効きを重視しますか?

冷暖房の効きは、もちろん重視する方は多いと思います。リビング階段は、階段部分がリビングと一体となり、しかも2階とつながるので、どうしても空調する面積は増えます。照明も全般的に明るくする場合であれば、照明器具の数ももちろん増えます。そのように考えるとデメリットばかりです。

冷暖房の対処法としては、
<夏>
エアコンの冷気は下に溜まるので、問題ないように見えますが、リビング上部が吹抜だったり、陽当りの良い窓がある場合は、日差しが入らないように軒や日除けを設けることも対策の一つです。また冷房の効きを良くするため、階段や吹き抜けの上部から温まった空気を排気するように換気扇を付けることも有効です。
<冬>
エアコンで暖められた空気は、リビングの上部に溜まりますので、空気を温めるエアコンはどうしても非効率な面があります。暖房として床暖房がよく使われますが、足元が温まるので、リビング階段のある住宅には良く使われる暖房方法です。この場合エアコンも設置しますが、補助的に使うケースが多いと思います。他の暖房方法は、家全体を温める全館暖房を導入したり、深夜電力を用いた蓄熱暖房という方法もあります。全館暖房も蓄熱暖房も家全体を温める方法であり、部屋によって温度差がすくなくなりますので、ヒートショックを起こしにくいメリットはあります。

4.開放的な住宅を目指しますか?

リビング階段のメリットは、階段の空間をリビングに取り込むことができるので、リビングを広く見せることが出来ます。リビングの上部を吹き抜けにして、2階の廊下が見えるようにできれば、更に広がりは生まれます。2階の廊下に書斎や勉強スペース等々を設ければ、お互いの気配を感じられる住宅が作れるでしょう。リビング階段はもちろんスペースの節約にもなります。狭小の住宅であれば、検討する方法の一つといえます。

まとめ

いかがでしょうか?
リビング階段にはメリットとデメリットがあり、それぞれの家族により、合う合わないがあると思います。家族の中でも意見は様々だと思います。上記の4つのトピックは、Yes or Noではなく、その優先順位の付け方が重要だと思います。新しい住宅について考えることは、家族のライフスタイルについて、見直す良い機会だと思います。十分に話し合いながら進めてください。

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