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シーリングファンで省エネ〜日経住まいナビ2016年5月25日夕刊

毎週、家づくりの様々な情報を掲載している「日経住まいナビ」の今回のタイトルは「シーリングファンで省エネ」image

シーリングファンを使うメリットして、幾つかあります。そのポイントは、以下の項目です。

  • 設置位置は?
  • 夏季の冷房の効率を高める
  • 冬季:温まった空気を循環させる
  • 長雨期の結露対策
  • トップライト、換気扇との併用で効率アップ

設置位置は?

シーリングファンには、ファン単体のものと、照明一体型のタイプがあります。いずれも照明用の天井付コンセントで対応できますが、通常の照明とは違い、可動するため、コンセント自体がしっかりとした下地に留められていることを確認したほうがいいでしょう。また設置高さも2.2m以上と言われていますが、シーリングファンは、一定に風を送り続けるので、直接風を当て続けるのは、不快になるケースもあります。設置する天井の高さにも気を配った方良いです。一般的な天井高2.4mであれば、極力薄型のタイプを取り付けたほうが良いでしょう。

 

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夏季の冷房の効率を高める

シーリングファンといえば、夏季に送風し、冷房の効率UPというのが一般的です。夏季は、天井から床面へ、上から下への風を作り、下に溜まった冷えた空気の層を拡散させます。風を直接感じるというよりは、冷えた空気の塊を動かすイメージです。

冬季:温まった空気を循環させる

冬の暖房時は、暖められた空気は、部屋の天井付近に溜まります。シーリングファンで、床から天井へ上昇気流を作り、暖められた空気層に当て、拡散させます。冬季もシーリングファンを使うことにより、部屋の温度のムラを無くします。

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長雨期の結露対策

梅雨の長雨期もシーリングファンは効果的です。梅雨の不快なところは、湿度が高いことであり、結露が発生しやすい時期です。空気の流れがなくなり、空気が淀んでしまうところで結露が起きやすいのです。シーリングファンで空気の対流をつくることにより、部屋の空気のよどみを少なく出来ます。

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トップライト、換気扇との併用で効率アップ

夏場、シーリングファンを使っても、付けてもすぐにはその効果は発揮できないことも多いと思います。例えば外出から帰ってきて、エアコンとシーリングファンをつけた場合、逆に暑くなることはないでしょうか?部屋に溜まった暖められた空気がシーリングファンの下降気流により、エアコンの空気と混ざってしまうことが多いと思います。この場合は、まず暖められた空気を外に排出することが、有効です。冷房を付け始めた時は、部屋の空気をあまりかき混ぜること無く、冷気を下に溜めるのと同時に、上部に溜まった熱気を換気扇やトップライトから排出しましょう。現在の住宅では必ず24時間換気用の換気扇を付けている(※浴室やキッチンの排気と兼用しているケースも多い)ので、シーリングファンの設置位置上部に24時間換気扇を取り付け、常に空気の循環を促すのも一案です。但し排気は臭気を集めるので、その設置について、レイアウトや他の換気装置と含めて検討することをオススメします。

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まとめ

シーリングファンというと、一般的にはエアコンとの併用で、設定温度を下げる/上げることによって、省エネ効果を謳うことはよく言われていますが、長雨期の湿度対策や、換気扇やトップライトでの熱気抜き等、付け始めの注意点に気をつけると、シーリングファンにより快適に過ごすことが出来ます。ただし、シーリングファンの設置位置や家具レイアウトの関係で、風が直接あたったりして、不快になることもありますので、設置高さの工夫や風量や風向きの設定等、試行錯誤しながら快適な方法を見つけてください。

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