東京 大森の建築家兼宅地建物取引士が語る、不動産探し&家づくりのコト

建築家が教える不動産広告・不動産チラシの見方、5つのポイント

不動産のチラシには、図面や写真の他、物件情報が載っています。
例えば、「売地」の不動産チラシの場合、下記のようなのが情報が掲載されています。

◯所在地 東京都世田谷区◯◯◯町◯丁目
◯交通  京王線◯◯◯駅徒歩◯◯分
◯土地面積  ◯◯◯.◯◯m2
◯他私道持分 無し
◯現況 古家あり
◯引渡予定 約1ヶ月
◯土地権利 所有権
◯地目 宅地
◯都市計画 市街化区域
◯用途地域 第1種低層住居専用地域
◯建ぺい率 40%
◯容積率  80%
◯その他制限 第1種高度地区 準防火地域 4h/2.5h(1.5m)

この情報を読み解くことで、どんな環境か?どのくらいの家が立つのか?分かるようになります。

1.立地
2.周辺環境
3.どのくらいの家が建つのか?
4.権利

1.立地

◯所在地 東京都世田谷区◯◯◯町◯丁目
◯交通  京王線◯◯◯駅徒歩◯◯分

その売地がどこにあるのか?住所や最寄り駅の情報を見れば、分かります。最寄駅の情報から、Googlemapで検索すれば、スーパーや商店街の情報は手に入りますし、ある程度は想像は出来ると思います。所在地で詳細な住所を掲載しているケースは稀ですが、売地周辺の状況はある程度想像できます。

2.どのくらいの家が建つのか?

◯土地面積  ◯◯◯.◯◯m2
◯他私道持分 無し
◯建ぺい率 40%
◯容積率  80%

どのくらいの家が建つのか?計算は簡単です。

「土地面積」☓「容積率」=「延べ床面積」

ただし「土地面積」は注意が必要です。建てられない面積が含まれている場合もあります。
特によくあるケースが「私道持分」と「セットバック」面積です。「私道持分」は、土地が面している道路が私道の場合、その権利を所有している場合があります。もちろんこの面積は建物を建てられる面積に含めることは出来ません。また土地が面している道路の幅(幅員)が4m以下(場合によっては6mのケースも有り)の場合には、4mの道路幅を確保する必要があり、道路中心線等を基準として道路として提供する必要があります。もちろんこの場合も建築を建てられる面積に含むことは出来ません。

(「土地面積」ー「私道面積」ー「セットバック面積」)☓「容積率」=「延べ床面積」

上記のように、「私道面積」と「セットバック面積」が含まれている場合は、土地の面積から除外する必要があります。

3.周辺環境

◯用途地域 第1種低層住居専用地域
◯その他制限 第1種高度地区 準防火地域 4h/2.5h(1.5m)
◯建ぺい率 40%
◯容積率  80%

「用途地域」から、その環境が分かります。「用途地域」はその土地の使い方を定めており、住居専用地域であれば、大きな商業施設がt建てられないように土地の使い方が規制するものです。それによりその土地の性格が決まります。住宅地であれば、「第1種低層住居専用地域」や「第2種低層住居専用地域」の「低層住居専用地域」であれば、建ぺい率や容積率の基準も厳しく、庭がある一戸建てが立っているエリアになります。「中高層住居専用地域」であれば、中層や高層の建物が立つ地域となり、建物自体も木造というよりは、鉄骨や鉄筋コンクリートの建物が多く建つエリアになります。「建ぺい率」は土地に対する「建物を建てて良い」面積の割合であり、どのくらい建物と建物の間隔が空いているか?という指標となります。高度地区は「第1種」から「第4種」程度まであり、自治体により、その種類は異なります。「防火地域」は「準防火地域」と「防火地域」と「指定なし」があります。他「22条地域」等の規制があります。簡単に言うと「防火地域」は木造が建てにくい地域であり、屋根や外壁等の最も厳しい防火規制が掛けられている地域になります

4.権利

◯土地権利 所有権

土地の権利は、しっかり確認してください。安い物件の場合は、「借地権」の場合もあります。土地の権利は、「所有権」だけでなく、土地を所有している「地主」から借りている借地もありますので、ご注意ください。「借地権」の場合は住宅ローンの審査で通りにくい場合もあります。借地の場合は、比較的手頃な価格となっていますが、その場合、借地料についてもチェックしておきましょう。住宅地ながら高額な借地料が設定されているケースもあります。

5.追加費用

◯地目 畑
◯擁壁あり
◯セットバック必要

追加費用として、思わぬ出費が出るケースが有ります。

地目は、土地の登記簿に記載されている土地の利用状況で、「宅地」のほか、「田」「畑」等の農地や「雑種地」等様々あります。一般的に住宅を建てるには、最終的には「宅地」への変更が必要になります。特に農地の場合は、「農地転用」の手続きが必要です。申請し、認可まで時間がかかる場合もあります。もちろんその手続を代行してもらうのであれば、その費用も掛かります。

擁壁の必要の有無は注意が必要です。斜面地で擁壁が必要な場合もありますし、土地に擁壁がある場合、造り直す必要がある場合もあります。大きさ程度によって、判断基準が違います。擁壁が古い、水抜き穴がない等、現在の状態を確認する必要があります。擁壁の作り方にも、擁壁の最下部でL字になっているケースでは、新たに住宅を造り直す場合、住宅の基礎や杭の配置に影響が出るケースも有ります。

セットバックとは、住宅の面する道路が規定以上の幅員がない場合に、道路用地として土地の一部を提供しなければならないことです。一般的には道路幅4mにするケースが殆んどです。
例えば道路幅員2.8mしかない場合は、

2m-2.8mの半分=0.6m

道路際の土地0.6m分を道路にする必要があり、その部分の面積は、住宅の敷地面積から除外しなければなりませんので、建てられる住宅が小さくなります。

まとめ 見学前にGooleMapを見ましょう!

このように不動産チラシには、様々な重要な情報が載っています。それぞれの意味を知っていると、その土地や周囲の状況が確認できます。ただ「百聞一見にしかず」との言葉のように、実際に見て感じることはやはり重要です。しかし今は実際に見学に行く前に「GoogleMap」で周囲の状況を確認できます。

GoogleMapでは、地図も見れますし、

航空写真も見れますので、実際にどのくらいの高さの建物が建っているのか、ある程度は確認できます。

もちろんStreet Viewであれば、道路からの様子も確認できます。その土地の周囲の環境も見ることが出来ます。
ただし、撮影日がいつなのか?情報が古い場合もありますので、ご注意ください!

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