東京 大森の建築家兼宅地建物取引士が語る、不動産探し&家づくりのコト

吉川永里子著「ラクするための片づけのルール」にみる家づくりの方法

収納スタイリストとして活躍されている吉川永里子さんの著書「ラクするための片づけのルール」

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片づけのアイデアのみならず、家づくりにも使えそうなアイデアも多数載っています。

  • ライフステージの変化とともに発生する「持ちものの変化」に収納が対応出来るか?
  • 「片づけ」と「掃除」の違い。「循環」を守る
  • 部屋づくりは家族の「行動」から考える
  • 家族全員が個人のテリトリーを持つ
  • 子ども自身が片づけられる環境づくり

ライフステージの変化とともに発生する「持ちものの変化」に収納が対応出来るか?

結婚して、同居が始まり、子どもが生まれる。家族が増えれば、その分持ち物は増えます。子どもの成長及び自分たちも老いていけば、その持ち物も変化していきます。その変化については、なかなか想像出来ませんが、必ず起きることです。収納は現時点で完璧なものを用意しまいがちですが、その時々に対応できるかどうか?棚を組み替えることだったり、収納を増やしたり減らしたりすることができるような柔軟性のある収納を、ここでは提唱しています。考えてみれば、モノの量も種類も変化しますが、それを使う、収納する場所ももちろん変化します。さらに年齢により、身体の可動範囲も変化します。押入の天袋なんて、歳を取れば、椅子に登って上げ下ろしをすることが億劫になりがちです。
もちろん子どもも成長し、やがて巣立っていくでしょう。常に変化は伴いますので、その時々で、常に工夫し続けることが、「片づけのルール」かもしれません。

「片づけ」と「掃除」の違い。「循環」を守る

「片付け」には、「特別な片づけ」と「毎日の片づけ」があるとのことです。「特別な片づけ」とは、子どもが中学校に入学したりするライフステージの変化により、持ち物が変化する時に行う「片づけ」であり、一度手を付けてしまえば、普段手を付けないでもいい片づけ。この片づけが終っていないと、不要なものが常に家の中にあり、「余分な」スペースを使っていることになります。よほど重要なものであれば、取っておく必要はありそうですが、手元には普段使うモノのみ残せれば、片づけもし易い。モノを使ったのち、また元の場所に戻す「循環」があり、新しいモノが一つ増えたら、代わりに一つ処分するというもう一つの「循環」。片付けに追われない生活をするために、日常のモノを管理し、この循環を守れるかどうか?そこがポイントとのことです。

部屋づくりは家族の「行動」から考える

いわゆる「適材適所」ですね。家づくりを考えるときは「ダイニング」「リビング」「子ども部屋」「寝室」等、部屋をレイアウトすることになりますが、その部屋はどう使いますか?
例えば….

「化粧はどこでしますか?」

「寝室でしょうか?」

「洗面所でしょうか?」

一義的に6畳の大きさは必要としても、何をするから6畳必要なんでしょうか?

「誰」がそのモノを使うのか?
「いつ」使うのか?
「どのくらいの頻度で」使うのか?

様々家族の行動を良く考えると、使い勝手は良くなります。

家族全員が個人のテリトリーを持つ

「ご主人にも自分のスペースを!」

どうしても子どものいる家族の家づくりを行うと、子ども中心になり、自分たちのスペース、特にご主人のスペースが限られてしまいがちです。「片づけ」という観点からも、ご主人個人のモノは分散させずに、集約して管理してもらうスペースを確保することも、片づけが楽になるコツのようです。

子ども自身が片づけられる環境づくり

子どもは成長により、身の回りのことが自分で出来るようになります。それゆえ「子ども自身が片づけられる環境づくり」を提唱しています。

子どもはいつも見ている景色を「当たり前」と思って育ちます。

まずは「親」からですね。1歳から3歳くらいは、まず「元に戻す」習慣を付け、保育園や幼稚園に通い始める、3~5歳は、自分の持ち物が増えてくる時期でもあり、例えば戻すものが「入るか?入らないか?」という「管理」の意識付け。等々、収納の習慣付けとその維持管理を成長に従い、覚えさせていく。

まとめ

「家づくり」の時期として「子ども部屋をつくる」ということが、その理由として多く挙げられます。部屋を作れば、解決する訳でもなく、その成長を空間がどう支えていくのか、毎回気になるテーマでもあります。ハードのみならず、それをどう使っていくのか?子育てと子どもの能力向上と部屋の使い方のヒントもこの著作から読み取ることが出来ます。

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