物入れの中にある棚板の置き方を工夫すると使い勝手が良くなる。棚板の枚数を増やしたり配置するパターンを変えたりすることで、収納力が向上しものの出し入れがしやすくなる、大がかりな改修工事は必要なく、ホームセンターで入手できる部品で対応できるので、挑戦してみてはどうだろう。
一般的には、家づくりに於いて、収納の面積に囚われがちで、「何を」という視点まで踏み込んではいないと思います。家づくりの基本は、まず「今の生活を調べる」ことから始まるともいえます。幾ら理想的な間取りを追求したとしても、生活パターンとの乖離やの「住みこなす」方針が伴っていないと、「理想的」も「それなり」になってしまいます。
今回の「住まいナビ」では、収納の話をしていました。
住まい方アドバイザーの近藤典子さんによると、収納の棚板の奥行は、「40cm」が基本とのこと。確かにこのサイズは、日用品のモノのサイズと呼応しており、収納するモノのみ置ける奥行で、モノの奥に「モノ」、つまり取り出しにくいモノはない奥行。収納のカウンセラーをしている方の話を総合すると、
この2代原則があるようです。棚の奥行40cmというのは、日用品に適応したサイズですが、収納するものによって、その最適サイズがあります
個々の収納するもにより、様々です。
また、収納というより、すぐ使うもの、例えばキッチン上部のスパイスラックや洗濯機前の洗剤置き場なんて、5cmや15cmの奥行の方が取り出しやすいこともあります。モノの大きさとその使う頻度も収納の考え方に大きく影響を与えます。上記のキッチンの奥行65cmというのは、モノの収納に対応した寸法設定ではなくて、シンクやガスコンロ(IH)、食器洗浄機の機器の奥行です。キッチン本体自体は引出しが使いやすく、引出しを多用する場合が多いですが、奥行65cmに対応した引出しは、逆に奥行が大きすぎて使いにくいのが実情で、キッチンの引出しの奥行は50cm前後の場合が多いと思います。昔のキッチンは、50cmとか55cm、60cmというのもありました。確か私の実家(築35年)のステンレスキッチンは、奥行55cmだったと思います。
収納は、適材適所で、どう考えるか?「家」=「収納」ではないので、収納ばかり考えていても、家づくりは出来ませんので、そのバランスが重要です。
この図面は、以前設計した「ニワノイエ」という住宅で、寝室の収納の奥行を60cmにした一例です。この住宅の寝室は、LDKに面積を割いたため「最低限」のスペースしか面積を取っていません。そのため「ベッド以外の家具を置かない」ことを前提としています。寝室にテレビを置く場合は、もちろん「収納の中」です。そのためにTV配線もコンセントも収納の中にあります。収納を幅広くして、その建具(間仕切り戸)は引戸にして、収納家具もその内部に入れ、部屋の一部として、機能させる。これも一例です。十人十色様々な考え方があります。