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木毛セメント板を住宅に使う

木毛セメント板というと、あまり住宅の建材では一般的ではありませんが、その歴史は古く、関東大震災後、塗装用下地として輸入されたという記録があるようです。

木毛セメント板、木を細い紐状に裂き、それをセメントで固めたものですが、薄い板状の木片や使用するセメントの種類によっては、幾つか種類があります。この木毛セメント板も含めて「木質系セメント板」と呼んでいます。

木毛セメント板を見れる場所@東京その1〜無印良品西武渋谷店

木毛セメント板の施工〜奥神楽坂レンタルスペースspace Rの場合

木質系セメント板は、その防火性能により屋根下地に使われますが、そのちょっと荒々しさから内装にも使われます。

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△ラクテンポ神楽坂事務所・奥神楽坂space R(設計:横山武志建築設計事務所)

 

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その表面は、コンクリートで固められていますが、木質系の繊維の凹凸とムラがあり、なかなかいい表情をしています。コンクリートが使われているため、少々重いので、施工者泣かせの建材かもしれません。

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取り扱っているメーカーも幾つかあり、内装用に作られた製品もあります。

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1mmの木毛を使った製品

内装用なので、ある程度キレイに作られています。

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薄いリボン状の木毛を使った製品。

コンクリート素地のため、内装仕上で用いる場合は、塗装をします。

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高圧木毛セメント板

隙間のない、製品。一般の木質系セメント板は、隙間があるためビスが利きにくいのですが、密実な製品ゆえ、施工はよりし易い製品。※ただしさらに重い

表層は隙間がないため、また独特の雰囲気があります。

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強化高圧木毛セメント板

こちらはさらに圧縮した製品。木質系セメント板は、コンクリート打設時の型枠兼下地としても使われるため、コンクリートの水分を適度に吸うため、コンクリートの強度が出やすいというメリットがあります。

 

木毛セメント板を使うメリット・デメリット

木質系セメント板は、使用材料が水、木、セメントのみであり、防腐剤やホルムアルデヒドを含むような原材料を使用していません。また耐火性はもちろんのこと、適度に隙間があるため、吸音、防音性のも高く、耐朽性、耐蟻性も兼ね備えています。インテリアとしてもその表情は、コンクリート打ち放しにも似た印象を持つ方も多いと思います。

デメリットとしては、表面が荒いため、手で触りにくいこともあります。

設計者としては、是非内装で使いたい建材です。

木質系セメント板の中には、木造住宅で耐震壁にも使えるものもありますので、その点でも面白い使い方が出来そうです。

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